散歩道<180>

                     失業に関して・仕事について(失業と仕事についての2つの考えを紹介します)  

1、失業に関して
 第2の人生を楽しむ年齢に達して退職とそれ以前の失業とは違う。特にまだ1度の能力を試す機会を与えていない若者の失業者の存在は確実に社会不安に直結する。私見もよいところだが、現代の殆どの問題は、失業が解消されるなら完全とは言わないが相当な程度まで解消されれば解決できるのではないか。正反対の結果が二人の才能の差ではない。仕事をもつ事がどれほど重要な事かも、又反対に失業する事がどれほど致命的な痛手かも.才能の差にあったのならまだしも救われ、納得もするが失業者とそうでなかったものの違いしかなかったものだから哀しいではないか、才能も機会を持たないものには発揮しようがない。
(塩野七生様の文章から)

2、
なりわい(仕事について
 人はなぜ働くのだろう。ただ生きていくために、あるいは家族を養うために、仕方がないから働くだろうか、そう言う人もいるだろうが恐らく大多数の人はそうではあるまい。多分人が人として生きる実感を労働する事によって獲得しているのではないか。例えば、ホームレスといういやな言葉がある、何ゆえ不愉快かと言えば住む家がないという以上に、働く仕事がないということが問題であるのに、この言葉はその問題を傲慢に素通りしてしまうからだ。働くことと人間の尊厳は、強くからみあっているのに違いない。働くという何気ない日常が、ハレを飾る屏風などのモチーフに選ばれること自体.先人達の真摯な思索を物語るものといえよう。
(ヒューマン・イメージの中の仕事に関する言葉である)

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