散歩道<1781>
経済気象台(166)・過程調査
1.32。1人女性が一生のうちに何人子供を生むかを示す06年の合計特殊出生率が前年の 1.26 から少し回復した。景気が上向き、出産に二の足を踏んでいた若い夫婦の一部が出産に積極的になったとの見方が強い。しかし、招来に向けてのあらゆる条件んを考えても、少子化という大きなベトルが解決できたと考える者はいない。人口問題研究所が日本人の夫婦の結婚の過程と出産力について調査し、報告をしている。その中で、結婚年齢 だけではなく、夫婦の出会い年齢も尋ねている。出会いから結婚までの交際期間は1987年では2.5年であったのが、2005年では3.8 年と大きく延びている。出会う年齢も高くなっているのに加え、結婚までの期間が長くなっていることは、結婚年齢 を高くしている大きな理由となろう。その背景にはバブル後の不況以降、安全な生き方を志向する若い世代が、結婚によって今ある豊かさを手放さなければならないという不安から結婚に踏み出さないでいる状況もあるという。この調査では、夫婦の予定の子供数だけではなく、理想の子供数も聞いている。驚いたことに、減ってはいるものの、今でも子供3人を理想と考えている夫婦は4割強もいる。しかし、実際に3人を予定しているのは、2割強でしかない。子育てや教育にお金がかかり過ぎるなどの理由から、子供を理想どおりに産めない若い夫婦の苦悩が伺える。一方で、予定の子供数が1人の夫婦も徐々に増えている。さて、多くの少子化対策は、少子化を示す様々なデーターを基に導きだそうとしている。しかし、少子化を示すデーターがどのような過程を経てそこに行きついたかを見ていくことも、少子化対策を考える上で非常に重要であろう。消費行動についても同様だが、プロセスのなかにこそ、生活者の思いやりや実態が隠されている。
'07.7.3朝日新聞
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