散歩道<1769>
意見新言・安倍政権の「国」(4)・国家と国民は一体なのか (1)〜(4)続く
「脱却」すべきは
安倍政権の主要なスローガンの一つに「戦後レジーム(体制)からの脱却」というものがある。戦後体制派もともと、第2次世界大戦の戦勝国が敗戦国であるファシズム国家をどう管理し、世界秩序を維持していくか、という観点のもとでくみたてられた。国連の安保理常任理事国のメンバーにそれはよく現れている。つまり、日本は戦後体制のもとで管理される立場におかれたのである。その立場から管理する側へと移行したい、というのが「戦後レジームからの脱却」に込められた意図である。しかし、それは安倍政権が望んでいるほど容易ではない。国際政治のなかで「管理する側」にまわるには安倍政権の国家観はあまりにナイーブであるということも、それをいっそう困難にしているだろう。従軍慰安婦問題をめぐって今回のアメリカ議会からだされたバッシングも、そうした国家観をもつ安倍政権にお灸(きゅう)を据(す)えたものだと見ることができる。安倍政権は戦後体制から脱却しようとする前にまずはみずからの国家観から脱却しなくてはならないだろう。
'07.6.9.朝日新聞・津田塾大准教授・萱野稔人(としひと)
'07.6.21.NHKクローズドアップ現代で沖縄戦と教科書修正の話が報道されていた。今まで(62年間)発言してこなかった住民から、言いたくても余り辛くて言えなかった真実を発言がなされようとしている。