散歩道<1767>
意見新言・安倍政権の「国」(2)・国家と国民は一体なのか (1)〜(4)続く
周発言への反発
1972年、日本は中国と国交を正常化した。このとき中国の周恩来首相が有名な言葉がある。「中国人民は、毛沢東主席の教えにしたがっえ、ごく少数の軍国主義分子と広範な日本人民とを厳格に区別してきました」というものだ。保阪正康氏によると、この言葉をめぐって、昨年の自民党総裁選における公開討論会ののなかで、安倍普三候補はこうのべたという。「日本国民を二つの層に分けるということは中国側の理解かも知れないが、日本側はみんながそれで理解してはいない。やや階級史観的ではないか」(「月刊現代」06年11月号から)
ここには安倍首相の国家観がとてもよく現れている。国家と国民は一体である、という国家観だ。国家の運営に直接かかわったり、役人や軍人として一定の権限を与えられたりする人間と、それ以外の国民とを区別してはならないという発想に、そうした国家観が具現している。これが沖縄戦での「集団自決」にかんして表明されると、軍の命令という要素をなんとか無化していこうとする文部科学省の態度になるのである。
'07.6.9.朝日新聞・津田塾大准教授・萱野稔人(としひと)
'07.6.21.NHKクローズドアップ現代で沖縄戦と教科書修正の話が報道されていた。今まで(62年間)発言してこなかった住民から、言いたくても余り辛くて言えなかった真実を発言がなされようとしている。