散歩道<1732>
私の視点・大量定年時代(1)・妻は夫を暖かく迎えて (1)〜(2)続く
団塊の世代は日本経済を支えてきた企業戦士だ絶対命令の転勤で家族と離れ離れの単身赴任を甘受。帰宅は月1回程度。自宅通勤の人ですら帰宅時間は子供たちは就眠中。子供たちが起きだしたときは既に出勤途上。慢性疲労で、家族とのきずなを深めるどころではない。子育てを妻に丸投げし仕事一途に生きてきた。定年後の人生設計を築く余裕など全くなかった。
そんな団塊の世代が定年を迎える時がついに来た。突然現れた膨大な空間時間を前に戸惑っている人が多いと聞く。
戸惑いを感じるのは夫だけではない。家庭を一人で守ってきた妻は、四六時中、夫と暮らしてみると、他人と住んでいるみたいで強いストレスを受けるという。「家庭のため」と信じて働き続けた結果が夫婦離反の家庭崩壊とは酷だ。
退職後、家庭からも締め出された夫はどうなるのだろう。定年後、午前中のみ"出勤”し、以前と同じように指示を出していた先輩がいた。3ヵ月後、子飼いの元部下から「立ち入り禁止」を忠告されたらしい。
在職中、部下が上司に従ったのは、個人としての魅力ではなく、職務権限から発する神通力を感じていたからだ。退職すれば、社長も部長も普通の人である。出来るだけ早く過去と決別することが肝要だ。
'07.5.8.朝日新聞・ギャラリー経営・小野宗芳氏