散歩道<1722>
アジアの脱亜(1)・欧米との対立概念超えて (1)〜(3)続く
日本でアジアを考えるといえば、あれか、あれか、と思うのが人情だろう。昔なら米欧本位の世界、今ならアメリカ主導のグロバリズム経済、結局のところ、米欧社会に抵抗するときに日本で持ち出される言葉がアジアだった。日本がアジアを代弁する役目を果たすことも、当然のように考えられていた。ここでいうアジアとは、現実の地域というよりは、欧米の対極対極として立てられた理念である。その反対の議論もあるわけで、日本がアジアから脱すべきだとう福沢諭吉の脱亜論に始まり、日本はアジアよりも欧米とのつながりを考えるべきだという議論も繰り返されてきた。アジア外交ではなく日米同盟だという声は、その現代版といえるかもしれない。こうなると、アジアは随分空疎な観念になってしまう。だが、それでもなお、アジアを考える意味は残されるのではないか。過去10年、朝日新聞アジアネットワーク(ANN)の企画に加わってきた日本やアジア地域の学者、専門家、記者らが集まってこのほど開かれた「朝日アジアフェロー」の第一回フォーラムに出席して、そう思った。
'07.5.14.朝日新聞・東京大教授・藤原帰一氏
関連記事:散歩道<788>平和の時代へ(1)・理想主義を超えよう(1)〜(3)、<1155>小泉時代とこれから(1)・外交・安保(1)〜(5)
