散歩道<1711>
経済気象台(150)・三つのデザイン
ゴミの仕分けをする前に、飲み終えたお茶や清涼飲料水のペットボトルを洗う。次に、商品ロゴが印刷されたフイルムをはがそうとすると、ミシン目がはっきりついていないので、なかなかうまくいかない。別のペットボトルは、パッケージの形状が複雑で、これもはがすのに相当苦労する。先端がプラスチックと接合されているペットボトルは、ペンチなどを使い、力わざで二つの部分に分けるしかない。地球にやさしい人になるためには、いろいろな壁を乗り越えなくてはいけない。さて包装という概念も含め。商品や商品パッケージには、三つのデザインがある、と考えられる。大きな商品ロゴ、斬新なデザインで、どの商品も競合商品よりも目立とうとしのぎをけずっている。「売るデザイン」は、包装が多少過剰であっても、企業が商品を売るための戦略を商品パッケージの上に凝縮させている。一方、活字を大きくした雑誌や新聞のように、全体のデザインよりも、読む人の使いやすさを重視した「使うデザイン」もある。また、空気抵抗を少なくし、軽い素材を使ったクルマのデザインは、燃費を節約する。もちろん、安全性を考えたデザインも進化を続けている。余分なデザインを排除し、目立つことよりも、使い勝手や機能を考えた機能美を持つ商品は、クルマや情報機器だけでなく、多くの分野に見られるようになった。三つ目のデザインは、「捨てるデザイン」である。消費者が食べ、あるいは使い、商品がその役割りを終えた後、消費者や環境に「大して負担の少ないデザインである。様々な簡易包装の商品はもちろん、商品を生まないというデザインもある。洗剤などの詰め替えボトルなどは、「捨てるデザイン」の考えを進化させたものであろう。「捨てるデザイン」が「売るデザイン」となる時代をつくるのは、我々、消費者である。
'07.3.2.朝日新聞 