散歩道<1712>a
経済気象台(151)・もったいないは美徳・ガレージセール
上を見れがきりがない。昔の年寄りから聞かされた言葉である。何事も欲しがらず我慢するための知恵であった。最近では、こんな言葉を聴かなくなったが、それに代わって「もったいない」を耳にするようになった。これは時代の変化を象徴する重要なキーワードに思える。これまでは、消費は美徳であった。今もその傾向が主流である。モノが豊富に生産され、値頃価格で、望むものはほぼ入手できる豊かな社会である。だが、身の回りにはつかわれないもの、同じようなものが家庭にあふれている。まだ十分使えるものでもゴミとして捨てざるを得ない。大なり小なりこうした経験をしている人は多いと思われる。このような生活スタイルが何時までつづくのだろうか。カナダ・トロントの郊外で数ヶ月生活した折に、ガレージセールに参加した体験がある。定期的に地区ごとに、ガレージセールを希望する家庭が前庭やガレージで不用品の店開きをする。中古だが子供の自転車、日用品さらに本まで並べてある。それを家族ぐるみで見て周り、気に入ったものを購入する。日本では近所の人か知人に、遠慮がちにあげるか、使い捨てにするかである。これは、豊かな経済かどうか、という違いだけではなさそうに思える。生産、消費など経済の各部門で消費は美徳であるというサイクルをいかに脱却するか、出口なき出口を求めているのが現状である。このサイクルを断ち切るのは我我の生活スタイルを根気よく、改善していく必要がある。資源は有限である。無駄な資源消費をしない、もったいないは美徳であるという風潮を教育課程から育てていく必要がある。同時に、百貨店の過剰包装などを徹底して簡素化すべきである。そうしないと生活コストはますます高くなり、子供を生むのも躊躇することになりかねない。
'047.4.25.朝日新聞
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