散歩道<1701>
社説21提言・日本の新戦略(8)-1・経済のグロバール化・弊害と向き合い、上手に果実を増やす (1)〜(3)続く
富を増やしながら、格差拡大を防ぐ手立てを整える WTOを大事にし、自由貿易の利益を途上国にも 日本は構造改革を進め、農産物の市場を開放する。
地球が狭くなった。商品をつくる、資金を動かす、労働の担い手が国境をこえる。人間の経済活動がよりひろく、より早くなった。世界市場で、企業どうし、国どうしの競争が激しさを増した。お互いの経済依存が深まり、ある国で起きた危機が瞬く間に他国へ波及する。国の安全保障や国益はもはやグローバル化する経済を抜きには語れない。グローバル経済の進展には日本の企業が大きな役割りをえんじている。トヨタ自動車が本格的な海外生産に乗り出したのは84年のことだ。その米国工場のオープンからわずか20年あまりで、海外の工場は27カ国・地域、52カ所に広がった。近年は東南アジアや中国などアジアへの直接投資が急増している。エンジンをはじめ部品を各国でつくって集め、完成車に組み立てる。一貫した生産体系づくりがアジアで進む。販売会社や研究開発拠点もついていく。米欧への進出は貿易摩擦を避けるためだったが、アジアの場合は違う。80年代半ばの急激な円高で、労賃が安い途上国へ目が向いたのだ。生産が軌道に乗れば雇用は増えるし、技術も伝わる。うまくいくと、グローバル経済は現代の「打ち出の小槌となる」
'07.5.3.朝日新聞