散歩道<1700>                

                社説21提言日本の新戦略(2)-3・気候の安全保障・「キョート」を地球保全の原点とする    (1)〜(3)続く
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目指すべき目標として、気温上昇を20世紀に比べて「2度以内に抑える」ことを揚げよう。欧州連合(EU)は、上昇幅を工業化前に比べて2度
(90年に比べて約1.4度)以内にする独自の目標を示している。我々がいう「2度以内に」は非現実的な数字ではない。そのためには「脱炭素」がに沿って社会を組み替えていかねばならない。先進国と途上国とで取り組み方も違いはあろうが、基本は資源多消費型から節約型への以降である。日本が得意とする省エネ、自然エネルギー技術をもとにその設計図を描き、実行して見せたい。省エネ派コストダウンにもなる。太陽光や風力などによる発電は、広大な国向きだ。中国やインドなどの関心を呼ぶに違いない。日本は技術を売るだけでなく、政府の途上国援助(ODA)も活用しながら普及を後押しすべきだ。市場の力で脱炭素をすすめることも大事だ。この面ではEUが選考する。排出量取引で発電所や製鉄所などに排出枠を振り、その枠を売買させている。米国の州にも同様の動きがある。脱炭素がカネになる社会を作り、そのビジネスを促す。この世界的な潮流に沿って日本も省資源社会の構築や排出量取引制度を進め、中国、インドなどの途上国も加えてゆく。米国も、そこに広大なビジネスチャンスと見れば、むしろ進んで議定書に参加してくるだろう。世紀をま
たぐ気候の安全保障では、価値観を地球大で転換させる外交が必要だ。日本はその先端を走って生きたい。

'07.5.3.朝日新聞