散歩道<1699>
社説21提言・日本の新戦略(2)-2・気候の安全保障・「キョート」を地球保全の原点とする (1)〜(3)続く
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08年から実施段階に入る京都議定書は、二酸化炭素(cox2)などの温室効果ガスの排出削減を先進国に義務付けた。ところが、世界の(cox2)排出量の23%をしめる最大排出国、米国が議提書を離脱している。16%で2位の中国も、4%のインドも、途上国ということで義務を課せられてはいない。この京都議定書の第1期が12年に終わった後すぐ、後継の枠組みにつなげなければならない。いわゆる「ポスト京都」だ。1期より実行のある枠組みをめざして日本は主導的な役割を果たすべきだ。ソ連はまず、自らが温室効果ガスの「90年比6%減」という義務を果たす。つぎに米国への働きかけだ。米国では州レベル、議会などに温暖化対策への機運が高まっている。この内圧を背景に、日本からも議定書への復帰を迫る。そのうえで中国やインドなどにも排出抑制の義務を担うよう促すべきだ。いま世界ではcox2を出さないという「脱炭素」が一つの経済価値を持ち始めている。各国が抑制策が強まり、排出量取引が広まれば、省エネなど「出さない」技術を備えることが経済競争力を支える重要な柱になってくるだろう。次世代の大国を目指す中国、インドにとっても、脱炭素を巡る競争力は欠かせないはずだ。排出量の抑制義務を課せられるのは重荷かも知れない。だが、長期的にはそれが自らの利益にもつながる。日本外国の説得力が問われる。13年以降も京都議定書の精神を育てより精緻な枠組みをつくるべきだ。そのための会合を京都で開くなど、環境外交の発信拠点として「キョート」を活用したい。まず、08年のG8洞爺湖サミット先進国の結束を固めることだ。
'07.5.3.朝日新聞