散歩道<1689>
私の視点・日米関係(1)・成功物語第2巻を語ろう (1)〜(3)続く
安倍首相が26日訪米する。日米関係はアジア太平洋でもっとも重要な二国間関係といえる。民主主義や人権、法の支配などの基本的価値観を共有し、この地域の平和と反映が死活的に重要という国益も共通だからだ。
私が駐米大使を務めた90年代前半は、湾岸戦争の際の「小切手外交」と日米経済摩擦の激化で、日米同盟は危機的状況にあった。その後、日本は国連平和維持活動に参加したり、テロ対策特措法やイラク特措法をつくったりして、国際貢献のやり方や日米関係を変えてきた。米国から見れば、同盟国としての日本の価値は当時よりも格段に上がっている。
日本にとって日米関係の最大の問題は、米国の影響力が軍事、政治、経済、文化などあらゆる面で圧倒的に強いことだ。だから、「対米協力イコール対米追随」というイメージがつきまとう、自国の独自性守りたいとの心理から「自主外交」「米国離れ」など屈折したナショナリズムが生まれる恐れもある。
日米同盟には日本の安全と平和を守ることのほかに、もう1つの役割がある。戦後日本は20世紀前半の誤った国策を反省。独善的なナショナリズムに駆られて国際協調路線を捨て、再び「独り歩き」をするようなことはしないと誓った。日米同盟はこの誓いを国際的に担保するという役割も担っているのだ。
'07.4.26.朝日新聞・元駐米大使・栗山 尚一氏