散歩道<1674>
文化・探求・前に進まない時代(3) (1)〜(3)続く
進む技術変わらぬ中身
2050年ころの地球。時間の流れは緩慢になり、人々はのんびりと暮らしている。一方で可能性や創造的な発想を追い求める気風は弱まり、科学も芸術も衰退を続けている。それは地球文明の最後の姿だったという話だ。変化が緩やかになること事態は悪いことではない。時には立ち止まって考えることも必要だし、地球環境問題を考えても速度に価値をおく文化には限界がある。しかし変化を求める気概や創造性まで失われていくとすれば、やはり問題だろう。最近は、富者と貧者の格差が社会の亀裂を深刻にした19世紀や、「戦争の世紀」と呼ばれた20世紀に逆戻りしたのかと思わせるようなニュースも目にする。無理なく時代を先に進める新しい知恵はないのか。
'06.8.8.朝日新聞