散歩道<1675>

                        丸紅コレクシヨン・絵画と衣装・美の名品展

 正直のところ和服についてはよく分からなが、随分きめ細かく丁寧に、時間をかけ作られた作品であることや、時代の古さ、着物の生地や模様によって時代の感じはなんとなく分かる。平安時代の和歌に当時、着飾った衣装は艶やかな姿に描かれており、 宮中を中心に華やかさを競った優美さが表現されていると思われる。身分制度が厳しく*1、染料や生地が大変貴重品であった当時とすればこのような華やかな着物をつくるのには実に多くの労力や金銭が必要であったと思われる。残された色から時代の古さを感じ、日本の歴史の重さが感じられる。
 今回の主催者である丸紅や繊維問屋やメーカが、製造過程から、大切に保存されていたものだと思う。季節の変化に対応した着物、行事や日常生活にあった服装など、色彩もその時代を表現しているものである。京都の祇園祭に繰り広げられる。山鉾に張り巡らされた西洋のタペストリーの絨毯、遠く400〜500年前の西洋の時代を表現しており、当時から続いた日本との交易の歴史と交流の深さを感じる。京都という地域が当時活躍し、今に残されている、画家たちとの交流を通して着物に多くの模様や絵柄の下絵などを提供されていたということが報告されている。このような技術の伝統的な深さが江戸から明治へと西洋文明を自然に受け入れる素地があったからだと考えられる。ボッティチェリの「美しきシモネッタ」の絵や明治の梅原龍三郎や林武、小磯良平等の素晴らしい絵も見応えがあった。1000年以上続いた着物の歴史をもう一度見直すことは、日本の今失われ、うずもれている多くの歴史の深さを見直すことにつながると思う。


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備考:散歩道<1667>、2、市川団十郎さんは、この話の中で、江戸時代の日本の歴史(文化)の素晴らしさを見直すことの必要性を、訴えておられたことを記しておきたい。