散歩道<1662>
アジアフェローから・中国の体制変革(3)・日本の側面支援カギに (1)〜(4)続く
窮状を打開したのは安倍首相の電撃訪中であった。個人の思いより国益を優先させた外交は支持率を上昇させた。それまで中国は靖国参拝中止を首脳外交の条件にしていたが、胡錦濤(こきんとう)主席も党内の不満を抑えこれに目をつぶって関係正常化を優先させた。関係改善は2人のリーダーの決断と信頼によるところが大きい。これで日中関係は安泰なのであろうか。答えは否である。過去何年にもわたる関係の悪化は、両国の国民相互イメージを深く傷つけたままである。首脳交流だけですべてが変わるわけではない。関係改善への歩み寄りを快く感じない人々や政治勢力も根強い。現に、中国ではそれらを上から抑えている。中国が民主化しない限り正常な関係はつくれないとする主張がある。確かに中国はまだ民主体制ではない。私も長年中国の民主化を望む者であり、学者としてその可能性を探ってきた。しかし、だからと言って今の中国と交流できないとは言えない。米欧各国も、近年では中国への人権や民主の要求を抑え、存在感の高まる現実の中語彙くとの関係強化に腐心している。
'07.4.21.朝日新聞・慶応大学教授・国分良成
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