散歩道<1661>

                    アジアフェローから・中国の体制変革(2)・日本の側面支援カギに                  (1)〜(4)続く

  もう一つ注目すべきは、日中の戦略的互恵関係の具体的な神である。首脳会談後の共同プレス発表がこの点を明示している。第一は対話の促進で、首脳交流、経済・外交の高官対話、さらには中国海軍と海上自衛隊の艦船の相互訪問も合意された。第二は互恵関係の強化で、エネルギー、環境、農業、金融などでの協力、第三は国際分野で、国連改革、北朝鮮問題などでの協力が歌われた。これとは別枠で東シナ海問題も取り上げられた。この海域をいかに「協力の海」に転換させるかが、戦略的関係の最初の試金石である。

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 近年、日中間の交流や文化接触は増大し、経済面でも相互依存が深まり、日本経済再生が中国市場に依存する度合いも高まった。だがこの現実に甘えるかのように、過去何年にもわたって政治の世界では関係悪化を放置してきた。日本両国で歴史問題が国内政治にからみつき、身動きの取れない状態が続いた。世界では日中戦争が勃発するかのような報道までなされ、日中両国に問題解決能力なないとさえ言われ、米国、欧州各国、韓国などが調停役を買って出ようとすることもあった。
 

'07.4.21.朝日新聞・慶応大学教授・国分良成

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