散歩道<1656>
時流持論(2)・東アジア・日本・説明責任
(1)〜(4)続く
東アジアで国民国家を越える地域共同体を考えるとき、一体何が共通の目標となりえるのだろうか。当然のことながら、共同体を作ることによって、より平和になる、より繁栄につながるという各国の確信が必要である。すなわち、「よりよきアジア(ベターアジア)」を実現する、ということである。無国籍企業が市場のルールに従って収益の最大化を目標とするように、東アジア国家が地域レベルで、自由主義経済の原則にのっとって貿易や投資の自由化を図り、経済拡大していくことは出来そうである。現に日本はこの地域の国々と経済連例協定のネットワーク化を図っている。貿易・投資以外でもエネルギーや環境・感染症対策や海賊防止などの機能に着目した共同体は視野に入るかもしれない。EU(欧州連合)のような機能共同体を超える価値共同体ということになると、統治体制の違いが問題とならざるを得ない。東アジアで価値共同体目指すということになれば、各国の統治体制を向上させることが必須の前提となる。日本は東アジアにおいては民主主義体制の下で圧倒的に優れた統治が行われている国であり、将来的な共同体つくりでも、ひとつのモデルとなることは間違いない。
'07.2.5.朝日新聞・日本国際交流センターのシニアフェロー・田中 均氏
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