散歩道<1636>
経済気象台(138)・大量為替介入のツケ
過去最大の大量為替介入の結果、現在、外為会計には約9千億円の外貨資産がたまっている。これだけ巨額の外貨資産を保有する投資家は日本には存在しない。運用の詳細は分からないが、公表資料によると、大半が外貨建て証券であり、比較的短期の米国国際が多いと推測される。企業がある程度の余資を必要とするのと同様、国にも外貨資金繰りのバッフアーとしてある程度の余資を持つことは当然だが、他の先進国と比較してこれだけの規模が必要とは思えない。企業の場合は、株主の目が光っており余資の抱えすぎはチェックされるが、外為会計の場合にはそうしたチェックはかからない。ファンドは年金であれ、投資信託であれ、分散運用を通じてリスクとリターンの組み合わせを意識しながら、最も有利な運用を目指している。同様に、今後の高齢化社会への以降を考えると、現に大量の余資が存在する以上、国としても外為会計の保有資産の運用効率を上げることは重要な課題である。仮に、運用利回りが1%高まると運用益は年間1兆円も増加する、実際、外貨準備の投資会社は、シンガポールや韓国では存在する。中国も先般、外為準備の運用の多様化を目指して運用専門の組織をたちあげることを決定したと報じられている。日本はどうするのであろうか。当局者の気持ちを推し量ると、自由経済を標榜(ひょうぼう)する国として、国営ファンドを立ち上げるのにも抵抗があるが、さりとて、為替レートへの影響を考えると、外貨の売り介入を行って外貨準備を圧縮することもできず、金縛りの状態にあるのではないかと推測する。公共投資の場合は遅まきながら後世代へのコストを意識して抑制策がとられている。外貨の公共投資ともいえる為替介入が払っているツケを見ると、コストを意識しないマクロ経済政策の怖さをおもわざるを得ない。