散歩道<1601>

                      ディベート経済・グロバル化と格差の関係は(5)          (1)〜(6)続く
                      経済発展し、貧困は減る 伝統くずれ、社会が混乱  金融技術で、問題解決を

金融技術の進歩で、問題解決を
現在のグローバル化に、格差を拡大させる傾向が見られる以上、弱者に対するセーフティネットを充実させることは重要だ。国内の貧困対策や国際的な援助の重要性はグローバル化がすすむほど増すし、経済のグローバル化に対する政治的な支持をつなぎとめるためにもセーフティネットの充実は不可欠だ。規制緩和や官業の民営化を進めることが、セーフティネットの削減・廃止の口実に使われてはならないだろう。そうでないと、グローバル化をすすめようという広い政治的支持が失われ、反市場的な極端な政策が採られることになりかねない。そうなれば、30年代に世界が戦争への道をたどったのと同じ過ちを繰り返すことになる。経済のグローバル化が進むと格差が拡大して政治的緊張が高まる、という構図は、人間社会の宿命のように思えてくる。しかし、そうではないかもしれない。最近の経済理論では、格差拡大の大きな理由は資金調達における情報の非対称性の問題とされる。個人や企業が資金を借りて事業を拡大しようとする場合、資金を貸す側は、借りる側の能力や意図、誠実さを正確に知ることは出来ない。これが貸手と借り手の間の情報の非対称性の問題だ。この問題を解消するために通常、資金の貸借では、借り手の持つ土地などを借金の担保にする。

'07.3.26.朝日新聞・本社客員論説委員・小林慶一郎氏

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