散歩道<1591>
経済気象台(132)・イノーベション頼り
「わが国は大きな挑戦に直面している。インドや中国が経済大国になろうとしている。世界中安い労働力であふれている。よりよい技術、更なるイノーベションが必要だ」「経済成長をさらに高めるには、知識集約型のハイテク産業のシエアを高め、生産性を向上させ、競争力を高めるべきだ」「「わが国は、オープンで世界中の科学者が集まる、イノーベションの首都になる」
安倍首相の演説のようだが、04年のブレア英国首相の演説だ。彼は「重要なのは、教育、教育、また教育」と叫んで就任した。
成長のため競争力強化、そのため生産性向上、そのためイノーベション創出、そのため教育改革、という図式は、万国共通と見える。
安倍首相より前、御手洗経済連会長は「イノベート 日本」を宣言し、経済産業省主導の「経済成長戦略大綱」は「世界最高のイノーベションセンターにする」と述べた。
安倍内閣の「進路と戦略」はこれに従い「成長のため生産性向上、そのためイノーベションが生まれる経済社会、そのためITとサービス産業の革新」と筋道を描いた。
イノーベションの最重要手段がITならば、森首相当時の「IT革命」熱の再来だ。イノーベション頼りは、聞こえはよいが、効果は上がるのか?ブレア首相のもとでもイギリスの生産性は米・仏を下回り続け、教育水準は主要国を下回った。
日本は、IT革命でインターネットの普及率は高まったが、北欧や米英よりは下だ。日本の労働生産性は、上昇率は高いが、水準はG'中最下位だ。製造業と非製造業の格差が主因だ。教育は、教育新生を叫んだ森首相以降も、成績、環境とも悪化が続いてた。
イノーベションも教育も、政治家の思い通りにはならない。イノーベション頼りの「上げ潮路線」は土台が揺らぎそうだ。
'07.2.23.朝日新聞
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備考:ITが社会に広がるためには必要なことは、ITを使った被害事件や迷惑電話を徹底的に取り締まる必要があります、これが不十分で野放しだと思います。