散歩道<1553>
歴史と向き合う・被害と加害意識の変遷(2) (1)〜(5)続く
善悪二元論の裁断やめ 国際的な対話に向けて 「複雑な現実」直視せよ
・・・・被害者だから加害者になるというのはどういうことですか。「ベトナム戦争を扱った映画「プラトーン」では、ジャングルの酷暑や湿気に苦しみながら米兵が行軍していく様子がまず描かれ、それから疲れきってやけくそになった米兵たちが村で残虐行為を働く場面に移ります。この映画の監督は元ベトナム帰還兵でしたから、米兵の心理を良く知っていたのでしょう。あの戦争の日本兵も似ています。政府の命令で突然に戦場に駆り出され、ろくな食料もなく約60`の装備を背負って毎日何10`も歩かされ、すぐ上官から殴られる。そんな被害者だからこそ、現地の村に入ったら放火したり、食料を略奪したりしがちだった」「ところが70年ごろに新左翼運動が広がる中で、日本がアジアへ与えた加害を強調するのはよいが、日本側の被害を言うのは良くないという雰囲気ができていきました」
'07.2.27.朝日新聞・慶応大学助教授・小熊英二氏
