散歩道<1547>

                               歴史と向き合う・過去を克服するために(2)               (1)〜(5)続く
                       理想と現実の差、課題 米も内外で違う姿勢 まず負の遺産直視を

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・・・・9・11同時テロ後、そのギャップは米国で広がったと思いますか。「ギャップだけでなく、矛盾を広げることになった。9・11が自由と安全を両立させる難しさを前面に押し出すことになったのは間違いない。さらに権利と安全をめぐって個人とコミュニティーの間に常にある緊張関係もより複雑になった。米国の覇権に強い怒りをもっている人たちがいて、彼らが死を賭しても行動する場合があることは知っていましたが、そこまでも手段をとるのかとあの時はショックを受けました。彼らはなぜそれほどまでに米国を嫌悪するのか。そこを深く考えねばなりません」「事件直後は、そういう問いかけ、つまりテロリストの思想と現状認識を理解する努力がわれわれに必要だということさえ、「非国民」のように言われる時期があった。今も完全には消えていない。愛国心の名の下に、そうした態度をとる人が少なくなかったことは非常に危うく感じました。テロリストはとにかく悪なんだと退けるだけでは、それがブッシュ大統領のとった路線だと私は見ていますが、単純にすぎる。それでは分析も何も始まらず、我々がとるべき行動も定まらない」

'07.3.1.朝日新聞・歴史学者・ハーバード大学教授・アンドルー・ゴードン氏