散歩道<1534>
世界の窓・日本外交再生のシナリオ(2) (1)〜(3)続く
直面する最大の問題は北朝鮮の核と拉致問題である。北は核と拉致の分離を図るため「日本は外ずし」の揺さぶりをかけてきた。ここは日本あるいは日米だけが突出する状況はさけ、韓国、中国、ロシアを含めた「共同制裁」の実現に踏み込むしかない。だが、中長期的に見れば日本の役割は重要だ。北の急激な崩壊は部分的な軍事衝突や大量難民の「発生を招きかねず、東アジアにきわめて大きな混乱をもたらす。これを避けるためには北の国際社会への取り組み、一定の民主化を促さねばならず、そのためには市場化へのソフトランディング、経済復興がカギとなる。わが国の重要課題の一つに日朝国交正常化があるが、これを視野に入れた大規模な経済支援策を6者協議のシナリオの中に組み入れることである。おそらく米中韓に歓迎され、北を説得する有力な梃子(てこ)になるだろう。鞭(むち)だけでは問題解決しない。
'06.11.15.朝日新聞・早稲田大学教授・天児慧(あまこさとし)氏
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