散歩道<1530>
世界の窓・アジアそれぞれの「解放」(1) (1)〜(3)続く
台湾の政局がゆれている。陳水扁総統の親族にからむスキャンダルから相当の地位、そして政権全体が揺さぶられている。こうした台湾の政局を、日台関係への影響といった外交的見地だけでなく、民主政治、自由と人権、法と正義の尊重という観点から見ると、政治的スキャンダルそのものよりも、その処理の仕方、とりわけ厳正な司法手続きの遵守の有無や、政治的責任の取り方が重要な問題だといえる。思えば、台湾の民主政治の定着には長い時間と幾多の試練が必要であった。民主化のプロセスが、圧制と権威主義と封建遺制からの開放過程であるとすれば、台湾の人々にとっての大きな試練は、第2次大戦の戦況が激しくなる中で、日本の皇民化成策がいっそう強化されたとき、台湾の知識人を襲ったジレンマから始まったといえるかもしれない。
’07.1.24.朝日新聞・国際交流基金理事長・小倉 和夫氏
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