散歩道<1522>
社説・地球温暖化対策・科学者が背中を押した(1) (1)〜(2)続く
本気になって二酸化炭素(CO2)の排出を抑えてほしい。そんな風に私達の背中を押す世界の科学者のメッセージが出た。「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」第1作業部会の新しい報告書だ。20世紀半ば以降の温暖化は、ほとんどが人間の営みによって出るCO2など温室効果ガスに起因する可能性がかなり高いとした。6年前の報告書の「可能性が高い」よりも踏み込んでいる。何をいまさら、という感じがあるかもしれない。だが、温暖化の主犯を突き止めるのは、そんなに簡単ではない。地球の寒暖は太陽の状態、火山の噴火、人間の営みなどが複雑の絡んで変化する。このため、温暖化の大半は自然変動の一部だとの見方が根強くあり、それがCO2を抑えることに消極的な人たちの言い訳になってきた。今回の報告書は、様々な要因の影響を数値化した結果、産業革命以降の人間活動が、太陽活動のような自然要因を大幅に上回ると判断した。この分析を踏まえ、社会のありようによって今世紀末の気温がどう変るかをはじき出した。1980〜90年代と比べた気温の上昇幅は、石油など化石エネルギーに依存する高成長社会なら4.0度前後、経済構造を替えて資源を節約する社会なら1.8度前後になる。社会をどう設計するかの選択を迫る試算となった。
'07.2.3.朝日新聞
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