散歩道<1519>
企業広告・無印良品(1)・家の話をしよう (1)〜(2)続く
住まいを作る方法は誰も教えてくれません。学校でも習いません。上の世代からも教わることもあるかもしれませんが、必ずしもげんざいの私達の状況に当てはまりません。それはなぜでしょうか。わずか五十年の間に日本人の住まいが大きく変わってきたからです。経済成長と共に、都市化が進み、地価が高騰し、住宅は集合し高層化していきました。家族の形も変化し、ご近所やコミュニテイのありかたもすっかり変りました。一方で住宅はとても高い買い物になり、融資を受けて土地や家を買うことには大きな勇気と決断が必要です。一戸建て住宅は素敵ですし、新築マンションも快適そうですが、もう少し合理的な住まいの作り方はないのでしょうか。これから日本の人口は減りはじめます。住宅の自給バランスにも変化かが生じるはずです。二〇〇七年の無印良品が提供する話題はリノベーション、つまり建築のリサイクルで、自分にぴったりの住まいを作る方法です。もっと本音で家に向き合い、型にはまった間取りや、家をステイタスとする堅苦しさから、本気で抜け出してはどうでしょうか。例えば新品のマンションを手に入れるという発想を切り替えただけで、可能性は格段に広がります。ヨーロッパの人々は新たなビルを競うように建てるのではなく、旧い建物の中身を、自分たちの暮らしに合わせて改装して用います。長く仕える建物の骨格を「スケルトン」と呼び、内側のインテリアを「インフイル」と呼びますが、ヨーロッパの人々はスケルトンを大事に再利用し、インフイルを自在に作り替えて生活空間をしつらえているのです。長く使う建築は五十年を過ぎたあたりで、ようやく評価が定まってくるという見方もあります。日本は、1980年から90年代に住宅のための建築がたくさん作られました。つまり「スケルトン」が数多く供給されたわけです。これらは現在「中古物件」と呼ばれていますが、それらの価値をきちんと見極めて利用すれば、望ましい住まいを安価に入手することができます。
'07.1.27.朝日新聞
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備考:'05.7.2.無印良品、上海に出店・販売品目は1500点、そのうち、約半数は中国産だが、日本からの逆輸入。関税を含めると日本より3割高い。
