散歩道<1518>a
思潮21・新しい世界秩序への英知(4)・グロバル化制御へ 国際システム構築を (1)〜(4)続く
世界は新しい全体知を求めている。世界経済が過熱気味の成長を続ける中で。地球は4%成長の持続に耐えられるか」という問題に直面している。環境とエネルギー問題である。経済と環境とエネルギー問題を総体として制御する新しいルールが求められるのである。たとえば、国家ごとに環境問題に対応するだけでなく、国際間のヒト・カネの移動に対して薄く・広く「地球環境税」を導入して問題解決の財源とするなどの方法も検討に値する。また、グローブ化への反作用ともいうべき「テロリズム」に対しても、「戦争」というカードが解答を与えないことは分かったが、いかに処断するかのシステムは見えず、ICC(国際刑事裁判所)の試みなどを軌道にのせ、国境を越えた組織犯罪に向き合う必要がある。
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安倍政権の掲げる「主張する外交も」主張を支える世界観と思想が問われる局面である。主張する内容が自国利害の主張だけならば、それは世界を変える力にはならない。例えば、北朝鮮の核保有を拒否する主張の背景には、自らの非核への決意のみならず、中国を含む「北東アジア非核地域条約」を提起するような広がりのある構想が無ければならない。世界には五つの「非核地域条約」が存在し、東南アジアや中央アジアも「非核地域」とする仕組みを実現しており、北東アジアに同様な構想があってもおかしくない。無論、その先には国際的な核不拡散システムの構築や核保有大国の核廃絶をも視界にいれた核管理構想を主導する強い問題意識がなければならない。広く深い構想力が求められるのである。
'07.1.15.朝日新聞・(財)日本総合研究所会長・寺島実郎氏
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