散歩道<1502>

                      経済気象台(126)・納得性を問う

 耐震偽装マンションに関して、国、自冶体で固めつつある支援策の枠組みについては正直、違和感を覚える。被害者には大変気の毒な事件ではあるし、近隣の住民にとっても支給の解決を要する重大事であることには異論はない。だが、本件の基本は民間の問題であり、損害賠償問題は当事者間に任せるべきものである。もしも一部の政治家などが言うように「行政の責任なしとしないから公的支援」というのなら、まずは行政責任を明確にすべきである。ゆめゆめ政治や行政が責任追及をのがれるための支援であってはならない。一方、被害当事者にあっては売り主に対する破産申し立ての動きが急である。売主の保有資産の全貌が判然としない中で試算の散逸を食い止めるためにも早い方がよい。その上でかつてあの中坊氏*1が豊田商事事件の時にやったように徹底回収を図るべきである。国が売り主の不動産会社から徴収した税金はもちろんのこと、社長、役員、社員が治めた税金も返してもらう。売主と政治家との関係もつまびらかにし、やり取りされたお金があれば全額返してもらう。請け負った建設会社が得た利益やそれで収めた税金も返してもらえばよい。一連の取引に関連した税金なら国民も納得するだろう。重要なのは納税者である国民の納得性だ。行政にかかわる問題が遠因としてあるから税金を使って支援するなど安易に考えるべきではない。ましてや責任追及を逃れるためにということには断じて納得しない。阪神や中越の大地震の被災者、今回の豪雪により家屋が倒壊し大きな被害を受けている人など悲惨な状況の人はたくさんいる。詐欺の被害者ということならもっと悲惨な目にあっている高齢者も少なくない。公平性という観点から、行政の責任という面も含めて、これらの被災者、被害者にとって納得的かどうかも、きわめえ重要な視点である。

'06..1.25.朝日新聞

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