散歩道<1499>
経済気象台(125)・消費回復がカギ
新年の景気を左右するカギは個人消費が握っている、というのが政府・日銀の共通認識だ。ところで、消費の弱さには、これまでの政策運営の結果という側面と、実態以上に弱さが拡張されている統計上の問題とがある。それ故に、消費回復には二つの対応策が考えられる。一つは家計を犠牲にした企業、政府優先の政策を修正することだ。今日、企業がバブル期を上回る利益を上げ、輸出、設備投資を拡大し、政府が財政赤字を削減できているのは、家計の犠牲によるところが大きい。実際、家計は増税、低金利、円安の三重苦にあえいでいる。税制では特別減税の半減、廃止が進み、諸所得控除の削減や社会保険料の引き上げなどによって、既に税負担が高まっている。ゼロ金利は修正されたが、依然として利息収入が家計から企業、政府へ強制移転されている姿に変りはない。円安は輸出企業には良いが、家計は高い輸入品を買うことになり、海外旅行も遠くなる。一方では、法人税が諸外国に比べて高いから減税しようと言う。しかし、米国などでは利益をあげた企業が、税金ではなく、寄付の形で音楽など芸術文化にに貢献しているが、日本ではこれが遅れている。企業の寄付が少ない分、税金で所得の再配分をせざるを得ず、その分税率が高くて当然のはず。声の小さな家計への過度な負担は次ぎの選挙で票に跳ね返るだろう。もう一つは消費税の見直しだ。家計調査はわずか8千世帯を調査対象にするが、少ないサンプルのために、しばしば歪みが生じる。夏場の消費の弱さには、サンプルの問題がすくなからず影響していた。IT化の時代に、旧態依然とした調査方法に頼らず、パソコンや携帯で回答出来る簡易なフォーマットを用意することで、より多くの回答者を確保でき、統計の安定度も高まる。消費回復への政策余地は決して小さくない。