散歩道<1497>
私の視点・若者へ・本来もつ魅力を磨いて(2) (1)〜(2)続く
人間の魅力、価値というのは、こういうものじゃないのか。人に受け入れられるもものが、その人の「仕事」だと、僕は思いたい。自分もビル掃除や建設現場のアルバイトをしたが、誰にも縛られずに芝居が続けられる天国と思っていた。職を転々としたり、好きな時に休んで釣り、パーティにくり出す彼等と組んで芝居という「仕事」をすることに苦は無い。深い人間関係に立ち入ることも無く、どこか安心もある。彼等も年間120日の旅仕事は気晴らしになるのか、ある日突然姿をけすことぐらいで、大きなケンカや事件があるわけではない。手を焼くのは、「教育しろ!」と苦情を頂くことだ、教育されることに、こんな拒否反応を示しているスタッフに何をどうしろというのか。途方にくれる。どう手を打ってよいのか分からないと、彼らにそのまま相談したことがある。「イッセーさん。そんな悩み事言ってると中学生に笑われるよ」金髪のピアスだらけの最年少スタッフに一笑された。しかしその日から、彼等は少しペコリと頭を下げるようになった気がする。知らず知らず続けた生活の中で、手助けされることにも気がつかないでぼんやりすごした25年間だったが、実はこのカラッポの状態で他人の動きを鏡のように映していたのだろう。54歳の今、そう思える。そんな鏡で、一人でも多くの若者が本来持っている魅力を磨いてくれれば。そう願っている。