散歩道<1472>
経済気象台(113)・原油高呼ぶ米住宅バブル
米国の住宅バブルが原油高を招き、日本にも負担を課している。かっての石油危機は中東から西側への石油供給が危機にさらされたことが大きいのに対して、現在は米国、中国を筆頭に需要が高まり、供給能力一杯の生産をしても受給の逼迫(ひっぱく)が解消されないところに特色がある。特に、世界最大の石油消費国米国で住宅バブルが発生し、その巨大な”棚ぼた利益”のために、いくら原油価格が高まっても需要が減らない。OPECはすでに生産能力の上限に近い日量2800万バレル強の原油生産をしているが。中国経済の急成長で、近年石油消費量が急増し、OPECの増産分を打ち消している。現在のOPECの生産量は天井に近いだけに、OPECの増産を打ち出しても更に余力が低下するとして、価格下落につながらない。このため原油相場を冷やすには、米国や中国での需要抑制が必要になる。ところが、米国では昨年1年で住宅価格が1兆ドル余り高まり。その約7割が現金化(FRBの調査)され、実需となって消費や追加住宅建設に回る。このように消費者の懐が住宅バブルで潤(うるおう)っている為、かってはガソリン価格の危機ラインといわれたガロン2jを越えても、ガソリン消費が減らず、燃費の悪い大型車やミニバン需要も落ちない。これでは石油の需要が減らず、原油高に歯止めがかからない。この原油高が日本経済にとっても負担になるが、その原因というべき米国住宅バブルには日本の超金融緩和もすくなからずかかわっている。もちろん住宅バルブの発端はFRBによる大幅な利下げにある。しかし米国はすでにこれを修正すべく利上げを続けるかが、日本が金融の蛇口を全開にしたままだから、世界の流動性は減らない。この金あまりの中で、米系ファンドやオイルマネーまでもが不動産投資に向い、これが住宅バブルを経て原油高を呼ぶ構造になっている。