散歩道<1451>
私の視点・子供の携帯電話・基本能力の危機招く(2) (1)〜(2)続く
第二に社会性の危機。「直接、個人」のつながりを促進するので、衆人の目よりはケータイの相手の方が大切になる。このため@社会からサポートしてもらえず(ルールやマナーを教えてもらえないし、親が子供の交友関係を把握できない)A自らの社会性も育ちにくい(周囲への気配や人目をはばかることがなく、多数でコミュニケーションが不得意で、苦手な人とかかわれない)。第三に想像力と計画性の危機。「いつでもつながるという漠然とした安心感があるので、先を予測せず、段取りを考えない。また、ケータイで解決できないことは簡単にあきらめてしまう。このため待ち合わせや買出しでは行き当たりばったりだし、文化祭の準備などでは一週間以上先までの計画が出来ない。第四に生活習慣の危機。人の話を聞く・会話する・覚える・考える・思い出す・文字を書く・暗算するという機会が減り、そのような「基本能力」が育ちにくい。歩行中にメールや通話に集中して周囲が殆ど見えなくなるのも危険だ。携帯電話の危険性といえば、電磁波や犯罪被害や有害情報ばかりが注目されるが、このような日常の行為の中に根源的な危険性が潜在していることを、誰もが自覚すべきである。困難を避けることを可能にする道具を子供の時から使えば、基本能力を獲得する機会はその分奪われる。車が足腰を鍛えないと同様に、携帯電話を使えば人間力を鍛えない時間を積み重ね、社会性も段取り力も未熟なまま大人になってしまう危険性がある。中学生までは道具に頼らずに自らの基本能力を磨く時期と位置付けて、携帯電話を持たせないように考えるのが、大人の役割ではないだろうか。
'06.12.19.朝日新聞・子供の居場所ネットワークBa'おかやま代表(県立高校教員)・筒井愛知氏
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