散歩道<1445>
思潮21・世界史と日本史(1)・新時代にふさわしい先を見据えた教育を (1)〜(5)続く
17世紀フランスのルイ14世の寵臣(ちょうしん)、フランソワ・ド・カリエールによれば、事実や歴史に詳しい素養は、敏腕な交渉家にとって大切な条件となる。人間は行動を決心する場合に過去の例を学ぶからである。また、イタリアの政治思想家マキャヴェッリも、将来の出来事を知ろうとするなら過去に目をむけよという教えを強調した。どの時代にあっても、人間は同じような欲望に動かされてきたので、同じ結果が起きるのも当然だと言いたいのだろう。私は二人のように決定論的に語ることは出来ない。それでも、歴史の出来事に通じるなら、他の国や人の付き合いの中で、他者に対する寛容と自分への自信とのバランスの取れた姿勢を培(つちか)うに違いない。他方、高校世界史の未履修問題に象徴されるように、最近の日本では歴史の学習で人間が深みと教養を増すという考えは分が悪い。学習指導要領において、日本史は自由選択なので日本の歴史を系統的に知らない生徒がおり、必修の世界史を学ばない若者も多いことが解かった。歴史常識を知らない世代が大人として成長するのは由々しいことである。
'06.12.11.朝日新聞東京大教授・山内昌之氏
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備考:私の経験談から言わせてもらうなら、議論する場合、歴史に造詣の浅い人は、深い人にまず勝つことはないでしょう。
<54>クリントン大統領と国文学者・*1橘曙覧・「楽しみは 朝起きいでて 昨日まで 無かりし花の 咲ける見る時」という和歌を、1995年天皇陛下が始めてアメリカを訪問されたとき、クリントン大統領は以下のようにスピーチしています。そのメッセージは次のようなものです。
It is pleasure rising in the morning I go outside and find that a flower
has bloomed that was not there yesterday
