散歩道<1427>a
社説・開戦65年・狂気が国を滅ぼした(1) (1)〜(2)
クリント・イーストウッド監督の映画「父親たちの星条旗」と「硫黄島からの手紙」が話題を呼んでいる。1945年月から3月にかけて、日米あわせた約5万人が死傷した硫黄島の激戦を、双方の視点から描いた2部作だ。登場するのは、英雄に祭り上げられて苦悩する米海兵隊員や家族を案じながら死んでいった日本兵士ら。敵も味方もない。戦争に翻弄され、命をおとす生の人間たちを描いた所が共感を呼ぶ、理由だろう。日本軍がハワイの真珠湾を奇襲し、太平洋戦争が始まって65年が過ぎた。あの戦争の犠牲になった無数の人々を改めてしのびたい。それにしても日本はなぜあのような暴挙に走ったのか。31年の満州事変から40年の日独伊三国同盟、さらに南部仏印への進駐から対日石油禁輸へ。後世から振り返ると、坂道を落ちるように破局への道を歩んでゆく。弾みがついた歴史の流れの恐ろしさだろう。当時ルーズベルト政権のスタッフだった経済学者のガルブレイス氏は、真珠湾攻撃の知らせを聞いた時、「狂気の沙汰と思った」と回想している。何よりも圧倒的な国力の差である。当時の米国の国民総生産は日本の10倍以上、鉄鋼生産量は20倍以上もあったといわれる。しかも、日本は重要物資の殆どを米国などから輸入に頼っていた。
'06.12.9.朝日新聞
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