散歩道<1425>
                  保守とは何か・個人を吸収する共同体(5)        (1)〜(5)続く

成長路線は先祖返りですか。
 
そうだ。成長路線我受け入れられやすいのは「みんなが徳をする」から。そもそも、ムラ社会でなあななあで配分する保守主義と、税は対立する。閉じた共同体で完結するのが保守主義だから、複数の共同体や独立した個人が共存する状況で、公共性の担い手として税を集めて再配分するのは一番苦手。自民党は複数の団体の利害調整が得意だったが、それは日本全体が一つの共同体で、成長の果実を配分するだけですんだからだ。小泉政権でかなり 自由主義寄りになったが、ムラ社会的な論理を基調にしている点で自民党は保守主義の政党だ。だから成長路線でやっていきたい。しかし、負担の問題は先送りできない。来年の参院選にむけ、増税に対する姿勢が試金石となって政党の理念 ははっきりしていくだろう。

増税は国民に受け入れられるでしょうか。
03年の総選挙で増税を掲げた民主党が勝った。世論調査でも「高福祉高負担」を選ぶ日地が増えている。「ある程度高い福祉を望むなら、相応の負担はやむおえない」という意識は国民に浸透してきている。こうしたニーズに応える政党が受け入れられるのではないか。

日本は保守主義から変化していく可能性があると。
 政治理念は社会構造の変化に応じて、いわば進化していく。市場経済を支える理念として自由主義への移行がまず起るが、やがて人々はその問題に気づいていく。個人をしっかり立てつつコミュニテーや公共性を志向する新たな理念が求められる。安倍政権でも小さな政府路線は変らないだろう。自民党が保守主義+自由主義を、民主党などが公共の重要性や福祉、環境政策を掲げ、国民が選択する構造んいなれば変化の展望が開ける可能性はある

'06.11.23.朝日新聞・千葉大教授・広井良典さん

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