散歩道<1419>

                     経済気象台(106)・得意なのは何

 理数嫌いは、言われて久しい。「英語をもっとやれ」という声は「国語が先」という声にかき消される。その国語は読めない、書かけないを通り越して、話せない、聞けない、に至った。日本史は、首相が、歴史は歴史家にまかせる、と不勉強をひけらかす。子供は勉強するはずがない。世界史は受験に邪魔だ、と必修逃れが横行した。地理は取り組みやすいというが、今の若者は冒険旅行もしない。地理が身につくはずはない。今の子供たちは、一体得意な科目はあるのだろうか?経済学部の受験生に面接していると、話題に困る。受験勉強や部活で忙しいからと、世の中の動きを知らないで平気だ。そこで、世界史や日本史や地理について、産業革命、高度成長、地域産業など、何か関心はないか、聞く。だが反応がない。今の子供たち、若者たちがとことん打ち込んでいるもの。それは学問でなく、ケータイだ。電車を見れば、ケータイ中毒*1は、子供社会から大人社会へ、大人社会から子供社会へと蔓延しているのがわかる。その、ケータイを流れる情報は、挨拶、連絡程度のどうでもいい話から、ゲーム、買い物、動画、いじめメールまで、忙しい。受験地獄のまま、ゆとり教育にしたため、必要のない科目は捨てる。大学に入ったら、やった科目も捨てる。時間つぶしは、ケータイに熱中する。これでは脳みそは空っぽだ。しかも、「死ね」と強要する、いじめ地獄の学校で、教育基本法を改定し、「国のために死ね」と教えるそうだ。学校は「生きる」ことを教える場ではなかったのか?脳みそを鍛え、まともに「生きる」ことを望む、まれな子供たちは、政治や学校を相手にせず、自力でやるのみか。

'06.11.18.朝日新聞

備考:私の経験談から言わせてもらうなら、議論する場合、歴史に造詣の浅い人は、深い人にまず勝つことはないでしょう。2008年3月25日

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