散歩道<1392>

                 時流自論・いじめという集団の自傷行為(3)           (1)〜(3)続く            ・・・・・・・・世相 

 携帯は、子供に最も必要な他者との肉声や身体の接触を奪う。内面を育む本を読まない。迂回すると言う無駄がなくなり、行動が定型化される。心が内向きして現実に合わない。そして人の眼を見ない。子供の情報が親の前を素通りする。イジメ仲間の情報伝達のツールになる。中には1ヶ月6万円もの通話代を浪費する子がいる。「アダルト」も見放題。出会い系サイトに平気でアクセスして、レイプされるケースもある。その効用より害の方が圧倒的に大きい。甘く見積もっても心身形成期の小中学生で線引きをし、携帯を禁止するという法を施行すべきだと私は考えている。受験産業で巨大な利益をあげている企業に申し訳ないが、かなうことなら熟も小学生までは廃止すべきである。商売の自由は保障されるべきだが、意味のない受験本位の知識を詰め込んで子供の、”オタク化”が進みこそすれ、それによって子どもの知能が低下するとは思えない。それが証拠に熟があるのは世界で日本と韓国と中国の都市部だけで、アメリカにもヨーロッパにも、当然アフリカにも南米にも東南アジアにも、日本のような熟がなくても彼らは立派にやっているではないか。ちなみに教育機関のテレビコマーシャルが全国規模で流されているような不思議な国は、日本と韓国だけである。子供の深夜の帰宅もそうだが、日本という国は異様な国なのだ。その異様さが異様なイジメや自殺に吹き出しているといえる。まだまだ根本的な発想の転換をしなければならないことは無数にあるが、評論家口調する”タレント”が、受けねらいで教育再生会議のメンバーに任命されるような施政が行なわれるような日本にあっては、実現への期待は薄いだろう。であるなら、イジメ自殺は未来永劫に終らない。

'06.11.20.朝日新聞・写真家・作家・藤原 新也氏

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