散歩道<1385>
思潮21・「時代の空気」について(3) (1)〜(4)続く
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「主張する外交」を掲げた安倍内閣がスタートした。誰に対して何を主張するのかが眼目である。自分の国の利害については声高に主張するが、世界秩序の在り方には沈黙するというのであれば、その主張は世界の敬愛を集めるものとはならない。政治指導者には21世紀の世界秩序の中での日本の役割についての経綸が問われている。明らかに、21世紀の国際的役割は2つに凝縮できる。一つは同盟国アメリカをアジアから孤立させない役割であり、多様な価値観を許容する国際社会の建設的関与者になるように米国を支援することである。二つは、中国を国際社会の責任ある参画者に引き入れる役割であり、環境問題から知的財産権問題までこの国を国際ルールやシステムに責任を持って関与する国になることを支援することである。そのためには、多くの国を納得させうる「政策理念」が不可欠であり、改めて国際協調主義を貫く意思と構想が必要であろう。
'06.10.2.朝日新聞・(財)日本総合研究所会長・寺島実郎氏
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