散歩道<1377>
経済気象台(90)・偽装社会(3)
この国に蔓延する偽装の根底にある組織腐敗によって国・地方を問わず多くの公的機関が危機にある。これを放置した結果、国は傾きつつある。組織の危機対策はバブル崩壊後、あまたの企業で経験してきたので、ノーハウは十分にある。危機にある企業の対策は、ヒト、モノ、カネの徹底的削減であるが、最も重要なことは責任ある経営者の解任や処分である。役所でも、失敗した組織である以上やるべきことは同じである。その後にはじめて株主や国民に負担を求めることが出来る。もっとも、美しき国の民はそのような過激な処置は好まないかもしれないし抵抗勢力は様々な偽装手段を駆使して危機にあることさえ否定しにかかる。従って、とりあえずの現実的な処方箋は、組織の透明性を確保する説明責任の明確化である。折りしもビジネス界では、内部統制システムの強制導入が真っ盛りである。内部統制で最も重要なことは、経営の有効性と効率性であるが、この点が公的機関が私企業よりはるかに劣る点である。国民は公的機関の有効性と効率性、そして何よりも健全性を確認する為に自ら負託したはずの政治家や役人(外郭団体を含む)をチェックする強力な監査機能を確保すべきである。この監査機能は当然ながら政治家や役人の任命や関与を許さず、組織内のあらゆる情報にアクセスできるものでなければ成らない。その上で、真に機能するためには、資金の裏づけと法執行力が不可欠である。資金の裏づけについては、国民が納税する資金の一部を正当な権利として監査機能に直接充当するメカニズムを確保すればよい。法執行力は自ら持つのが望ましいが、最低限検察・税務当局への通報義務は必要である。このような強力な機能は、既存の行政組織に属するのではなく、独立した選挙で選ばれるのが最も望ましい。
'06.11.15.朝日新聞
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