散歩道<1292>

               海外メディア・深読み(1)深まるイラク危機              (1)〜(3)続く

「最悪」の回避を探る世界: 
 
「米国の介入が恨みを生み、イスラム過激派運動への支持を地球規模に拡大させた」・・・米政府が機密扱いにしていたイラク戦争とテロの関係について分析した機密報告書「国家情報評価」(NIE)の結論部分が9月下旬に公開された。「イラクからの撤退はテロリストへの敗北だ」とブッシュ大統領はイラク政策の失敗を認めないが、政策の見直しを求める様々な危機打開策が出はじめた。

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 1日付米ロサンゼルス・タイムス紙で情報収集や機密保持の専門家が、「NIEはイラク紛争はより多くのテロリストを生み、米国と世界をより危険にしていると結論付けている。これは米政権が数ヶ月間言い続けてきたことの反対だ」と書いた。ブッシュ大統領は、米同時多発テロから5年の9月11日のテレビ演説で「サダム・フセイン」が権力の座からいなくなって、世界はより安全になった」と語ったが、そのような楽観論は機密文書によって覆された。11月の中間選挙を前にイラク政策は主要な争点一つになっている。

'06.10.11.朝日新聞・編集委員・川上泰徳氏