散歩道<1291>
世界の窓・ニッポンに魅せられ半世紀(3) (1)〜(3)続く
B16年前に東西ドイツの再統一が実現した後、ドイツは北大西洋条約機構(NATO)の範囲を超えた地域で活動を開始した。ソマリア派兵、ミエロビッチ体制下のセルビア戦争やコソボ介入への参加だ。アフガニスタンの国際治安支援部隊に3千人近くの兵士を派遣し、最近は、レバノン情勢安定の為、地中海東部に海軍を派遣した。今1万人の連邦軍兵士が広い戦域に展開している。90年代中葉の憲法裁判断が可能にした。一方,日本は体重に比べてパンチが弱い。アフガニスタン戦争では米英の補給線を支援し、イラクには復興支援部隊として600人を派遣した。大規模な海外軍事行動を法的に正当化する憲法改正は、小泉純一郎が残した課題の一つである。日本は、国連第2の財政支援国で、主要国首脳会議のメンバー。緒方貞子さんのような国際的人物が、尊敬と礼賛を勝ち得ている。にもかかわらず東京の外交的影響力、そして中国や韓国との関係改善努力や東アジア共同体構想への取り組みは、外から見るときわめて小さい。中国が着実に影を伸ばしているアジアで高い地位を得るつもりなら、日本はもっと重みを持たねばならないのではないか。私の日本への関心はいまも続いている。今の興味は、もはや活写版刷りの文書が入った木箱ではなく、日本の新首相が日独両国に共通の挑戦にどう応えるかだ。高齢化社会や福祉改革、貧富の格差の歯止め対策、中国(そしてやがてインド)による経済攻勢への対応などである。これらはすべての問題で、大連立で揺れるドイツにも参考となることを一つや二つ教えてくれるかもしれないから。
'06.10.4.朝日新聞・独ツァイト紙元編集主幹・テオ・ゾンマー