散歩道<1289>

                      世界の窓・ニッポンに魅せられ半世紀(1)                   (1)〜(3)続く      

 私が日本に魅せられて半世紀以上になる。1951年、米シカゴ大の学生だった私は夏休みに図書館でアルバイトをした。大きな木箱をバールでこじ開け中身を整理する仕事だったが。詰まっていたのは東京裁判の議事録や宣誓供述書、裁判記録などの文書だった。とりわけ第2次世界大戦以前の日独関係を扱った文書に興味をそそられた。日独防共協定や日独伊三国同盟 、対米戦争の準備に関する文書などである。私の博士論文は、「列強間における日独、193541」になった。日独の共通点は、ともに後発国、明治日本は1868年、ビスマルクの統一ドイツ帝国は1871年とほとんど同時に世界の舞台に登場した。帝国主義を揚げ、地域の派遣争いに加わわり、第1次世界大戦を戦った。日独の個別の拡張主義は、第2次世界大戦の荒波で合流、1945年に破滅的に終わった。両国は占領された。戦勝国は悪を追放し、再教育し、改革し、崩壊した権威主義体制の瓦礫(がれき)の上に見事な民主主義体制を築いた。

'06.10.4.朝日新聞・独ツァイト紙元編集主幹・テオ・ゾンマー