散歩道<1278>
ワールドくりっく ・避けたい「文明の衝突」イスラム教徒と共闘を(2) (1)〜(3)続く
これに対し欧米メディアの多くは「法王発言は宗教と暴力の関連を批判したものであり、イスラムを非難したものではない」と法王を擁護し、「問題は対立をあおり立てるイスラム指導者や政治指導者の側にある」としている。しかし、「非イスラム」の側からのそうした批判は、イスラム側の怒りをあおるだけだろう。オランダの卵事件のときの友人の反応と同じだ。これでは「文明の衝突」へまっしぐら、である。
過激派の暴力に対しては、イスラム側からも批判が出ている。訪米したイランのハタミ前大統領は、同時多発テロ5年の前日の10日、ハーバード大学で講演。9・11テロを「野蛮な行為」と断じ、オサマ・ビンラディンは「そうした犯罪を行なった点、それをイスラムの名で行なった点の2点で問題だ」と非難した。さらに別の会合で「イスラム教徒はこの野蛮な行為をもっと強く非難すべきだ」と呼びかけた。知人のパレスチナ記者はハタミ発言に感動していた。「テロ批判の記事を書くと、過激派からお前は反イスラムだと脅しの電話がかかってくる。ところが高位のイスラム指導者であるハタミが、テロやアルカイダは間違いだといってくれた。シーア派とスンニ派の違いがあっても、これは嬉しい。説得力が違う。
'06.9.28.朝日新聞・松本 仁一氏