散歩道<1190>
私の視点・「小さな政府」論争・3つの誤解を改める時(1) (1)〜(3)続く
先の先進諸国と同様に、日本でも「小さな政府」を巡る論議が展開されている。だが、この論議には、政府の役割と経済の関係について三つの誤解がある。その一つは政府と市場は対立するという誤解だ。大半の論議は、政府の役割を拡大することは市場の役割を縮小することであり、市場の役割を大きくするには政府の役割を減じる必要があることの前提を基礎にしている。先進諸国で進められた過去25年の「規制緩和」で、市場の役割が拡大し、政府の役割は縮小したとされる。だが、そう単純ではない。政府と市場の関係は、対立より、むしろ補完的だ。市場の自由度を高めるには、政府はすくなくとも三つの分野で規制を整える必要がある。つまり@法制度や金融体系などの市場のインフラ整備A独占禁止など市場における競争を支える政策整備B健康・医療・治安・環境など社会的安全確保のための枠組み整備だ。
'06.9.2.朝日新聞・カリフォルニア大バークリー校準教授・スティブン・ボーゲル
