散歩道<1168>
「好感」のありか(1)・「等身大」に疲れ、非日常へ 現実離れキャラに道徳教わる (1)〜(3)続く
逸脱するヒーロー
やくざの息子で27歳の高校生、趣味で時効事件を捜査する巡査部長、東京のカウボーイ・・・すべて 最近のドラマ「マイボスマイヒーロー」「時効警察」「ギャルサー」の主人公たち。身近にいそうな人物ばかりだ。「ひと昔前なら脇役だった癖のある人物が、いまは主人公としてウケるんですよ」ドラマ「弁護士のくず」プロデユーサ−。貴島誠一郎さんはいう。同ドラマの主人公も優秀だが遊び人風の弁護士。一方、コンビを組む若手の弁護士はまじめな熱血漢だ。「以前なら真面目なほうが主人公になったと思います。いま不特定多数の共感を得るのはなかなか難しくて」という。幸せの価値観が拡散した現代では、等身大を描こうにも「だれにとって等身大なのか」という問いが浮上する。「極端なキャラクターの方が、だれも安心してみていられるのかもしれません」。バラエテイ番組でも、過剰感漂う占い師や、仮装した芸人ら、”等身大”とはかけ離れた人物が話題をさらう。
'06.8.23.朝日新聞