散歩道<1155>

                          小泉時代とこれから(1)・外交・安保              (1)〜(5)続く        

対米重視:「内政」に利用、外交場当たり

・・・・小泉政権の5年は、9・11同時多発テロでブッシュ米政権の「長い戦争」が始まるなど、国際政治の地殻変動が生まれた時代といえます。その中で「小泉外交」をどう評価しますか。
 
「一言でいうと『小泉外交』はなかった。彼は内政の政治家。日米関係を強くしたと言われる。対米重視の中曽根首相と比べられるが、中曽根首相は中国とも良好な関係を築いた。日本国益の為に、米国を『外交の道具』としてどう使うかと考えた」「だが、小泉首相にとって、米国は、『内政の道具』だ。アメリカの大統領から信頼された首相は日本の内政で圧倒的な影響力をもつからだ。小泉首相の内政の話には広がりがあるが、外交の優先順位は低く、場当たり的だ」。

・・・・・ブッシュ政権の元高官は外交スタイルはあっても戦略が無い」といっています。それにしては日米同盟を変質させるなど重要な政策決定に踏み込みました。
 
「これまで日本の外交政策の基本は、軽装備、日米同盟の吉田ドクトリンだった。極東では米国の核抑止力に頼るが、核抑止力ほかの地域では経済協力を使って独自外交でいくというところがあった。小泉首相は、日本が対外的に影響力を発揮するためには米国の力が必要だと判断した。安全保障と経済協力が日本外交の二本柱だったが、後者の柱を落としてしまった。その点では歴史的な転換が起きている」

'06.8.19.朝日新聞・東京大学教授・藤原 帰一氏

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