散歩道<1137>
ウエッブが変える・対論・ネット新時代何もたらす(6) (1)〜(6)続く
ウエブの研究者ティム・バーナリーズ氏は「ウエブを読むばかりか、書ける双方向メディアにしたい」と理想を語っていたが、技術が追いついていなかった。結局、大型コンピューターに端末をつないで一方的に情報を流す、旧来の企業システムのような使いかたが大半だった。ところが、個人が簡単にウエブサイトを作って情報交換できるブログが出現、01年の米同時多発テロや大統領選の際にも現場で多くの人が情報発信した。情報の読み手が発信側に回り、ネットの情報量が爆発的に行き着けない状況になった。検索機能と広告を結びつけたグーグルが成功し、利用者が参加して知恵を出し合うネット上の百科事典ウィキペディアや知り合い同士で情報交換するソーシアルネットワーキングサービスなどが注目されるようになった。ブロードバンドが普及し、安価に大量の情報をやり取りできる情報基盤も整った。こうした状況を指す「ウエッブ2.0」
という言葉が現実味をもって響くようになった。ウエッブ同士を有機的に結びつける技術が開発され、地図情報とショッピングサイトのページを結びつける新サービスを作る、といったことも簡単になった。プログの基盤となる代表的なソフトも2人の技術者がたった1ヶ月で作り上げたものだ。ただ、「ウエッブ2.0」
という言葉は、まだ評価が分かれている。IT投資用のマーケッティング用語に過ぎないとの批判がある。一方、ネットの主役が企業や組織から、利用者中心になっていくという民主的な変化を表した言葉だとして、評価する声もある。
'06,7.28.朝日新聞・対論・東京大学教授・西垣通・ミューズ・アソシエイツ社長梅田望夫氏
関連記事:<781>対談・膨らむ欲望・ITが加速・橘木俊詔様・西垣通様、(1)〜(3)、