散歩道<1130>

                      新社会のデザイン・これからの社会保障は(7)           (1)〜(7)続く

・・・・・成長神話にとらわれていると
 「競争に駆られて長時間働き、生産が増えたものの需要が追いつかず、ものが余って失業者が出る。というのが今の状況だ。物質的な需要はかなり飽和してきている。労働時間を減らして失業を抑える。一種のワークシェァリングのような社会的な合意を作る必要だがある。
・・・・オランダのようなイメージですか
 「オランダのケースは1.5モデルと言われ、夫婦で1.5人分働き、賃金労働時間をトータルで減らす。その分地域や家庭などに費やす時間を増やしていく。『時間の分配』だ」
・・・・しかし、日本は欧州に較べて少子化高齢化のスピードが速い。定常型社会に上手く移行できますか。
 「簡単な課題ではない。ただ、1950年ごろは高齢者が少なかったが、子供が多かった。子供と高齢者を合わせた生産に従事しない人口の割合は高度成長期に下がり、2000年前後に底になった。今後その割合が2050年にかけて又上がっていく。全く未知の領域に入っていくわけではない。

・・・・・高齢者を支えるには多くの費用が必要です。
 
「みんなが長生きするようになったわけだから、お金がかかるのは当然。負担が増えていく印象だが、「長生き料」だと思えばいい。みんなが長生きできる社会を、負担なしで実現することは出来ない。ある程度の長生き料をみんなで負担していると思えば、それほど悲観する必要はない。消費税増税や相続税強化など負担の合意を得て、人生前半の社会保障に力を入れていけばしのいでいける」

'06.7.21.朝日新聞・千葉大学法経学部教授・広井良典さん