散歩道<1129>

                      新社会のデザイン・これからの社会保障は(6)           (1)〜(7)続く

成長神話捨て定常志向「長生き料」負担し合う

・・・・とはいえ

 
国と地方は膨大な借金を抱えています。「累積赤字を招いた元凶の一つは「経済はどんどん成長するものだ」と考え財政出動で公共事業を行なってきた政策にある。経済が成長すれば税収も増えて赤字は減る、と言う考え方だが、それは将来のツケ回しの発想である」
・・・では、どのような解決策があるでしょう。
 
「私は経済は成熟していて大きな成長はない。負担の問題を直視すべきだ」と考える。増税は避けて通れないということを認識した上で対応する。長い目で観て、そのほうが累積赤字を招かない。米国型の社会モデルが高い経済成長と小さな政府という組み合わせだとすれば、欧州型はほとんど経済成長しないで定常化することを前提に相対的に大きな政府にし、ある程度みんなで負担を分かち合う組み合わせだ。日本は欧州型の方向で合意を作っていく必要があると思う。
・・・・やはりし消費税の引き上げは避けられませんか。
 
「欧州並みの15%以上は避けられないだろう。増税の一方で社会保障、は医療福祉重点型にし、年金はスリム化する。人生前半の社会保障を強化し、公共事業は減らす。その組み合わせでやっていける。大変だが、それが成熟社会、定常型社会にソフトランデングする道だ」
・・・・少子高齢化が進むな中で、増え続ける社会保障費を支えるには2〜3%の成長が必要との意見もあります。
 
「私はゼロ成長でいいと思っている・人口も減っていくわけだから、経済が拡大し続けることを前提にする必要はない。欧州はゼロ成長社会に近い。環境面からも望ましい。日本は米国と並んで労働時間が極端に長い。過労死や自殺といった問題は成長では解決できない。社会全体が経済成長という数字の目標に振り回され、本来の意味の豊かさ、生活の質がおろそかにされている。「結果としての経済成長はいいが、国が目標を挙げて政策を打っていく時代ではない。これからは大きな政府か小さな政府かという対立軸と並んで、限りない成長志向から定常志向かという対立軸も併せて考えていく必要がある」

'06.7.21.朝日新聞・千葉大学法経学部教授・広井良典さん