散歩道<1124>

                    新社会のデザイン・これからの社会保障は(1)           (1)〜(7)続く

限界にきた公共事業型・医療福祉重視に転換を

・・・・社会保障改革は一段落しましたが、公民の不しい、不安はなかなか消えません
 「日本の場合、公共事業が職を提供して生活を保障するなど、実質的に社会保障の機能をなってきた。農業補助金や中小企業への補助金、地方交付金なども同じ機能を果たしてきた。つまり、生産部門の中に社会保障や再分配機能が組み込まれ、ある程度の平等が達成されてきた」。

・・・
それが限界にきたと
 「高い経済成長の時期にはそれなりに機能していた。それが80年代以降の低成長時代になると、公共事業は業界の既得権となり、ムダも指摘されるようになった。小泉政権はこの負の側面を一度こわし、市場経済の波にあらわせようとした。同時に社会保障的な機能を果たしてきた政策を止めたり減らしたりしたため、人々は保証のないところに放り出されることになった」。「一方で、生活保障的な機能を担ってきた家族や会社といったコミュニティーも崩れている。公共事業型社会保障に変る社会保障を強化していかないと、生活の不安定化や混乱が拡大していく」。
・・・・今の社会保障制度はその穴埋め切れませんか。
 「国内総生産
(GDP)に占める社会保障費の割合は、先進国の中で米国と並んで低い。社会保障には所得の再分配とリスクの分散という機能がある。日本医療保険のようなリスク分散機能にはほぼ集中してきた。再分配機能が始めて重要視される時代になったといえる。

'06.7.21.朝日新聞・千葉大学法経学部教授・広井良典さん

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